choice 01
歩は目を見開いたまま言った。
「充電が…、電池残量が100%になってる…」
葵もスマホを取りだし、三人に見せながら言った。
「そうです、因みに、僕のスマホも100%になってます、船に乗った時は80%程だったと思います…。当然充電はしてません」
九条の顔つきは少しこわばっている…動揺を隠そうと、表情を作っているつもりだろうが、隠しきれてない。
山村が葵に聞いた。
「どういう事なんですか?」
山村の問に、葵は両手を外に開き答えた。
「これに関しては…さっぱりです…」
こわばった表情の九条が言った。
「とにかく…これからどうするか…だね」
葵が言った。
「もう少しこの島を調べる必要があります…。12戸の建物と四方の4つの施設…一つはプールと公園らしきものでしたが…」
九条が言った。
「君達が離れている間に、君達と逆側の施設を山村さんと少し見てみた」
葵が言った。
「何でしたか?」
「この時計台の針時計を基準に考え…十二時の方向の施設は、船で僕達の出会ったパーティールームみたいな所だった」
山村が九条の説明に付け足すように言った。
「そこには厨房と食糧庫があり、新鮮そうな肉や魚、野菜などもありました」
歩が言った。
「食べるには困らないか…もう一つは?」
九条が答えた。
「九時の方向にあったのは…医務室か実験室のような所だったね」
葵が言った。
「その施設は後で有紀さんにも確認してもらいましょう…。因みに、六時の方向の施設は先程確認しましたが…空部屋で何もない六畳程の空間でしたね」
歩が言った。
「あとは…、俺達を囲っている12戸の建物だね…たぶん、俺達の部屋だね」
葵が建物の一つを指差し言った。
「そうでしょうね…部屋番らしきものが付いてます、01~12番が針時計の並びになっています」
九条が言った。
「数も人数分だしね」
葵が言った。
「部屋番の下に記載されている数字と記号も気になりますが…それは後でまとめましょう、部屋ごとにバラバラですから」
葵の言うように各部屋番号の下に何やら記載されている。
01番の部屋には『↑ 6-6』
02番の部屋には『→ 6-6』
03番の部屋には『↑ 2-6』
など様々なで、『↑ 3-7』や『→ 2-11』など、バラバラだ。