choice 01
「とにかく部屋を調べる必要があります」
葵がそう言うと、歩が提案した。
「じゃあ…俺と葵君に、有紀の三人で部屋を調べよう」
九条が歩に言った。
「君の言いたいことは…だいたいわかるよ。皆をパーティールームに集め、僕と山村船長で場を仕切らせ…上手く待機するってとこかい?」
歩は少し落ち着いたのか、ニッコリして言った。
「そういうこと、医務室らしき場所をもっと確認しておきたいから有紀も連れて行くよ」
九条が言った。
「葵君はわかるが…、しかし…片岡さんは女性だぞ」
歩は九条に笑いながら答えた。
「あいつを普通の女だと思わないほうがいいぜ…俺達よりよっぽど胆がすわってるよ」
葵が歩に賛同するように言った。
「歩さんの言う通りです、有紀さんの知識は必要です。僕も…おそらく歩さんも医療知識は多少有りますが、現役医師の知識は必要不可欠です」
葵と歩の言い分に、九条は納得するしかなかった。
しかたなしに九条は山村と共に、有紀だけ残して、他のメンバーとパーティールームへ向かった。
するとさっそく有紀が歩に言った。
「一体どういう事だ?九条氏は「主催者の余興だ」と言っていたが…これは明らかにおかしいぞ」
歩が有紀に聞いた。
「まぁ…お前ならそう思うと思ったけど…他の皆の様子は?」
「堂島夫婦は少し不信がっていたが…最終的には「しばらく様子をみる」と話しはまとまったが…」
歩は頭をかきながら言った。
「だよなぁ…流石に少し無理があるか…」
葵が言った。
「いや、混乱を避けれただけで、よしと言えるでしょう…それより調査を続けましょう」
有紀が言った。
「そうだな…葵の言う通りだ。なるべく迅速に情報を集めれるだけ集めたほうがいい…、後手に回ると混乱を招きかねない」
歩が言った通り有紀からは、この状況に動揺した様子は感じ取れない、どちらかといえば、葵と同じく興味津々といった感じだ。