choice 01
葵は確かに度々からの捜査に協力に応じているが、葵自身も宗吾には感謝している。

いくら幼なじみの兄とはいえ、警察の捜査に関わるなど、一大学生が簡単に経験出来る事ではない。

貴重な経験をさせて貰っている、宗吾の好意を無下にはできない。

そして何よりも、この豪華クルーザーの旅を、何よりも楽しみにしている美夢の期待を裏切るような返事をすれば…、後が怖い。

葵は髪をぐしゃぐしゃしながら言った。
「分かった…、行こう。警部殿には感謝すると、伝えてくれ」

美夢は小さくガッツポーズをしている。
「よっしゃっ!葵が行かないって言ったら、キャンセルするところだったんだよ」

「まぁ、気分転換にはちょうどいいか…」

「それじゃあ、当日迎えに来るから…、ちゃんと一週間分の荷物の準備しておきなさいよ!」

その後、美夢は葵と準備の話をし、帰った。帰り際に葵に準備を怠るなと、言ったことは、言うまでもない。

幼なじみとの二人旅…。

相手が美人なだけに、羨ましく思われそうな展開だが…、葵にとっては、ちょうどいい気分転換…位の感覚だった。
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