男子と会話はできません
「どうして高塚さんが廊下を走ったかは訊かないんですか?」
結局、俺の質問なんてないことにされた。
「いいから自習してなさい」の一括。執拗に言う程でもないから、それ以上は言わなかった。
高塚の顔はなんか見れなかった。
今思えば、余計なお節介。
高塚はもしかしたら男子にいつもバカにされていることなんて言ってほしくなかったのかもしれないけど。
俺は、ただ純粋に高塚が廊下を走った理由を知っているから、わかってほしかったし、バカにされることがなくなれば、
高塚は廊下を走る理由なんてきっといらなくなると思ったんだ。
先生に言って解決するような問題でもないのだろうけど、高塚のこと、わかってないくせに、同じようなことを繰り返す先生が理不尽な大人に見えた。