男子と会話はできません
「ウララ」
「……」
「……」
「……」
「……なに?」
「わたしの名前も犬の名前みたいだと思ったでしょ?」
「人についてるから人の名前でしょ?」
「そういうことじゃないんだなー」
はぁぁと大人ぶったため息を吐く。
「んじゃあ、思いたいように思えばいいじゃん」
高塚は一瞬口をつぐんで何か考えているような顔をして、そうだねと言った。
高塚から名前のことを言われたのは、後にも先にもそれだけだった。