男子と会話はできません
駅から無料のシャトルバスに乗った。
わたしと実咲ちゃんは座れたけど男子二人は、少し先に吊革を持って立っていた。
市ノ瀬くんが話すと、微笑む隼人くんがいて教室じゃないところでそんな二人がいるのが、不思議だった。
「あ、そうだ」
「ん?」
「羽麗に相談しようと思ってたんだけど」
「うん」
「わたし園芸部やめようと思って」
「えっ?やめてどうするの?」
「陸上部のマネージャーやろうかと思ってるんだ」
「陸上部?……そういえば中学のとき陸上部だったっけ?」
確か膝を悪くして走りを続けられないから、やめたとか聞いた。もともとは長距離をやってて、最初は陸上のマネージャーか園芸部かで悩んでいたっけ。
「うん。どうせだったらもう好きなことしようと思って。
ごめんね。園芸部一緒に入ろうって言ったのに、急にやめるとか言いだして」
「ううん。わたしは元々帰宅部が良かったからひとりでも大丈夫だよ」