男子と会話はできません
花火大会といっても小さな夏祭り。
だけどわたし達にとっては、毎年大事なイベントだ。
待ち合わせ場所には、彩子を含む男女8人集まった。
女の子は浴衣を着て、中には付き合っている子もいたのに、なぜか男女別に別れて歩いてた。
会話が盛り上がってきた頃、あまり話したことのない女の子が、
『高塚さんって隼人くんとしか喋らないよねー。本当は付き合ってるの?』
と訊いてきた。
『付き合ってないよ』
『本当に?』
『本当』
『えー。でも好きなんでしょ?』
と、口を割らせようとしてくる。恋愛のこと、仲良くないのにストレートに訊いてくる子も苦手だな。
そう思ってると、『場所とりー』と男の子たちが言った。
先に行ってると思ってた隼人くんは、思ったより近くにいて聞こえたんじゃないかって、気が気じゃなかった。