男子と会話はできません
『ここから花火、見えるかな?』
『見えるでしょ』隼人くんは言う。
かき氷が溶けるのが早い。黄色い水の上にある氷河を崩してるみたい。口に運ぶ。
『食べるの一生懸命』と、隼人くんは笑った。
『だって溶けるし。隼人くん、食べるの早いね。頭、ツーンとしない?』
『したよ』
そう言うと、わたしを、見つめた。
『あのさ、高塚』
『ん?』
『好きな奴、いる?』
『……』
『訊いちゃまずかった?』