男子と会話はできません
市ノ瀬くんは本当にわたしのこと好きなのかな?
信じるって、簡単なことと難しいことがあって、やっぱり難しいことがまだ多い。
でも。
今日、市ノ瀬くんがわたしを人ごみから守ってくれた腕は、夏祭りの隼人くんみたいだった。
隼人くんを見ていたように、市ノ瀬くんを見ていたらそれが好きなのかな?
よくわからないよ。
でも、好きと思われたら嫌じゃなかった。
それだけは、はっきりわかって、戸惑う。
実咲ちゃんからまたメッセージが届く。
『隼人くんから陸上部のこと色々教えてもらっちゃった。優しかった~。そしてやっぱりマネやろうかなと思ったよ!』
隼人くんも、誰か好きな子いるのかな。
いるのかな。
ただはっきり思った。
わたしと隼人くんの関係はもう友達なんだって。
わかってたけど、今日やっと理解できた。
思い出と生きてはいけない。