男子と会話はできません

人伝えに聞いた話を鵜呑みにするのは好きじゃなかった。


だけど、昇降口でのあの態度とか、背ける顔とか、そういうの全部含めてわかるんだ。


高塚が今まで避けていた男子に対する態度と同じだってことくらい。


小四のあの頃から、ずっと見てきたから、わかるんだ。


だから嫌われたという現実を受け取るしかなかった。


橋本が俺に対する怒りだって、本物で本当だって思わせるのには十分だった。









高校入試、合格発表、入学式と、高塚と一緒に迎えているはずなのに、彼女はいつも視界の端に背中を向けて立っているんだ。
< 150 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop