男子と会話はできません
「好きだよ」
「はっ?」
「高塚のこと、好きだよ」
呆然としていた一ノ瀬の手からボールを奪うのは簡単で、今度は俺が、シュートした。ゴールリングに弾かれて落ちた。
ゴロゴロと転がっていく。
「隼人、俺、負けねーからな」
「……」
「本気だから」
「……」
「なんか言えよっ!」
「うん。市ノ瀬のそういうところ、好きだよ」
「はあっ?どーいうことだよーっ?隼人に告られたいわけじゃねーんだよ!」と、また詰め寄ってくる。
「でも言われて良かった」
そう言うと、誰もいなかった体育館に人が入ってきた。