男子と会話はできません

「隼人くん」


「何してんの。こんなところで」


「何してんだろうね」


「隣、いい?」頷くと、隼人くんは隣に座った。


「隼人くん、今日も早いんだね」


「うん」


「……」


「……」


黙っていたら、隼人くんはわたしの横の髪を指でかきあげた。


「泣いてた?」


そう訊かれて、黙った。普通に話していたつもりだったのに。


ひとりでこんなところで泣いてたなんて知られたくなかった。
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