男子と会話はできません
「女の子連れて行くことなんてないからって、みんな大袈裟なんだよな」
「えっ?」
あっ、そうか。隼人くんは女嫌いって噂がある位だ。ということは、やっぱり彼女っていなかったのかな。
いなかったのかな。
「また遊びに来てくれたら喜ぶよ、あいつら。本気で」
「本当に?嬉しいな。わたしもまた遊びたい」
もう家の前に着いてしまう。本当は、もう少し隼人くんの家にいたかった。
急に現実に戻されると、不安な気持ちがまだ残っていることに気づかされる。
「大大丈?」
「うん」
「じゃあ……」
「じゃあ」と門に手をかけた。
「明日、一緒に行かない?」
「えっ?朝練は?」
「朝練しばらくやらないんだ」
「……」
「……」
「ううん。大丈夫だよ。ごめんね心配かけて」
「何もできないんだから、心配くらいかけさせてよ」
「……でも」
「迷惑?」と訊かれるから、首を横に振った。