男子と会話はできません


「バスの時間って、この前会ったときより、一本遅いくらい?」


「うん」


「じゃあ、明日迎えに行くから」


返事を待たないで隼人くんは行ってしまった。


すごくびっくりしたけど、やっぱり隼人くんは優しいんだ。


甘えてもいいのかな。明日くらい。





家の中に入ると、ママが「遅かったね、お帰り」と、わたしに声をかけた。


「あ。今日、友達の家に寄ってね。お野菜もらっちゃった」と、袋を手渡した。


「えーっ、本当に?誰からもらったの?」と喜ぶママ。


聞こえていたのに、顔がなんか見れなくて、そのまま返事をしないで階段を駆け上がるように部屋に戻った。
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