男子と会話はできません
初めてかもしれない。
羽麗ちゃんを誘って、断られたの。
用事は何ってことまで聞けなかったけど、そりゃ付き合ってるわけじゃないし、友達とだって遊びたいに決まってるし。
だけど、やっぱり断られるとそれはそれですごく悲しいものがある。
ちらりと視界に入るのは、隼人。
羽麗ちゃんとは何度も帰っているけど、まあまだ自転車のにけつというものも許されていないから、きっとまだ俺は、隼人以下なんだろうなって自覚はしている。
って、隼人と比べるのもどうかと思ってるけど。
人と比べるのは嫌いだ。
だって比べた結果、何が得られるんだ。
それなのにこういうときに、無意識で比べて、やっぱり比べるのが嫌いだというところに戻ってくる。比べると嫌いは結局繋がっていて、ハムスターみたいに回し車を走っているみたいだ。
隼人は羽麗ちゃんを好きだと言ったけど、結局なにを考えているかがわからなかった。
この前一緒に帰るって伝えてみたけど、動じることもなかったし。
ふと考える。隼人と羽麗ちゃんがまた付き合ったりしたら、俺、あいつと友達でいられるのかなって。
無理かもしれないと思うと、なんかそれも悲しい話だ。
まず悪いことは考えないと、今まで思っていたことを水に流す。