男子と会話はできません
「つまんない」と頬を膨らます。淡泊で冷静な若槻にしては珍しく愛嬌のある表情を見せた。
「で、なんなの。高塚先輩の話って」
「もうその話ですか?嫌ですよ。もうちょっと一緒の時間を楽しんでからにして下さい」
「そうか。もう若槻と話すことはないな」とわざとスピードをあげた。
「もう先輩。短気すぎますよ」
「知ってる」
「言いますよ。だから、もっとゆっくり自転車をこいでくださいね」と、隣に並んだ。
「わたし、見ちゃったんですよ。この前高塚先輩が、裏庭で呼び出し受けてるの」
「裏庭で呼び出し?なにそれ?」