男子と会話はできません

教室の中を覗くと、羽麗ちゃんが窓の外を見て立っていた。


何、考えているんだろう。本当にわかんないな。


この前、彼女が言ってくれたことを思い出した。


男子と話さなくなった理由を今度、話すと。


俺、あの言葉だけで、少し近づけた気がしてたんだ。勝手に。


隼人と比べたらまだまだかもしれないけど。


自分から心を開こうとしてくれるのがわかってすごく嬉しかった。


だけど、その話は結局まだ聞けていないし。何よりも、俺のせいで嫌な思いをしていたのに、それさえ言われていないのは勝手だけどショックだな。


「あ。市ノ瀬くん」と気が付いて、振り向いた。

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