男子と会話はできません
「水っ?」と、立ち上がった。
その勢いでどこかに殴り込みにでも行ってしまいそうと、咄嗟に腕をつかんでしまった。
「本当に大丈夫だから」
「大丈夫じゃないから、全然。俺、言ってくるから。男とか女とかこういうときは関係ないからね」
「いいの。大丈夫」
「なんでいいの?何もいいことなんか一つもないよ」
「だって、またこういう風なこと起きる」
弱気なわたしが顔を出した。不安なんだ。口では大丈夫なんて言えたけど、結局不安なままだったんだ。またああいうことされるんじゃないかって終わってないんじゃないかってそう考えると怖かった。
「……俺、守りたいよ。羽麗ちゃんのこと、どうしたらいいかな。言わないでほしいって言われたらどうすればいいかな。あっちが警告だっていうのなら、俺だって、向こうにはっきり自分の気持ちを伝えたいけど」
「……うん。それはわかってるけど」