男子と会話はできません
でもわたしが市ノ瀬くんに相談しました、なんてことが、相手にわかってしまったら、きっとまた警告破ったって言われて、ぶりっこだからすぐ男に相談するんだね、なんてこと言われるに決まっている。
だから市ノ瀬くんの気持ちは嬉しいけど、やっぱり縦には頷けない。
せっかく話せるようになってきたけど、市ノ瀬くんとはこうやって話をしないほうがいいのかもしれない。
ひっそりとした友達でいられたらいいんだ。
うん。ちゃんと原因だってわかっているんだし、お互いがそれを理解してるなら、きっと大丈夫だと思う。
話そうと思えば、番号だって知ってるんだし電話すればいいし。学校で話さなくても友達でいられるはずだもん。
そう提案しようと思っていたら、
「羽麗ちゃん、やっぱり俺と付き合わない?」と、市ノ瀬くんは言った。
わたしが思っていたことと、真逆すぎて咄嗟に言葉が出てこなかった。
「羽麗ちゃんが彼女になればいいのにって思ったよ」
真剣な顔だった。