男子と会話はできません
さっさと終わらせて寝ようと、プリントと向き合う。少し時間が経った頃、後ろの席から肩を叩かれた。
「終わった?俺、問四わかんなくてさー。見せて」とお願いされ、プリントを渡す。
顔を上げると、高塚と思い切り目が合った。
驚いた顔をして、俯いた。
「あれ。今日も隼人くん休みかと思った」
放課後、運動場に行くと最近入ったばかりのマネージャーの真壁実咲が声をかけてきた。
「うん。そのつもりだったんだけど少し走りたい気分になって」
「えっ?大丈夫なの?」
「怒られるだろうね。だからストレッチだけするつもり」
「なんだー、びっくりした。隼人くんでもそんな冗談言うんだね。でもわかるよ。身体動かしたくなるよね」
と言うと、思い出したような顔をして、どこかへ行き、手にプリントを持って帰ってきた。
「腸脛靭帯炎に良いストレッチ調べてみたんだけど、良かったら参考にしてみて」と手渡してきた。
きれいに重なりホッチキスで止められている。真壁が大事だと思う部分なのか、蛍光ペンでマークされていた。