男子と会話はできません




翌日。


「わたし生まれ変わったんだ」


「少し前にも同じ科白を聞いたけど。何回この世で生まれ変わる気?」


「杏奈聞いて。今回は本当に自分でもびっくりなんだから」


と、杏奈には言いたくなかったことを含めて、全部話して、市ノ瀬くんと付き合ったことも報告した。


「なんじゃそりゃ」と、文句を言った子たちには呆れて、市ノ瀬くんのことは、「良かったんじゃない」と、あっさりとした祝福の言葉を投げてくれた。









休み時間、杏奈と教室でお喋りをしていると市ノ瀬くんが前のドアから入ってきて、隼人くんを誘って廊下に出ていく。予鈴が鳴ってもしばらく戻らなかった。


急に自習と言われ配られていたプリントを見ているといつの間にかいて、そのまま隼人くんの後ろ姿を見つめた。


市ノ瀬くんから付き合ったとか聞いたのかな。


男子ってそういう恋愛の話、するんだろうか。


隼人くんは、市ノ瀬くんに、なんて言ったんだろう。


そんなことばかり考えていて、急に後ろを向いた隼人くんと目があって慌てて逸らした。
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