男子と会話はできません
教室に戻ると、隼人くんはクラスの男子と話をしていた。
足、痛かったりするのかな、なんて気にして見ていた。
クラスの男子が、その場を離れ、ひとりになる。
謝るなら今だと席を立ち、声をかけた。
「隼人くん」
振り返った。
「少しだけ話していい?」
「いいけど。どうしたの怖い顔して」
「こっ……怖い顔?」
「冗談」
「う……あ、あのね、実咲ちゃんから聞いたんだけど、足の調子良くないの?」
「……ああ、うん」
「ごめんね。わたし、隼人くん大変なのに、頼ったりして。何も気づかなかった。良くなりそうなの?」
「高塚に頼られて迷惑になる程、酷くないから大丈夫だよ」と、やんわりとした口調で言われた。
本当は、すごく辛いのかもしれないのにな。