男子と会話はできません
「公園?」
「うん。バスケのハーフコートあってさ、結構広いんだよね……って、羽麗ちゃんバスケやらないね」
「ううん。バスケやらないけど、見るの楽しかったから、やっていいよ?」
「いや。デートなのに、ひとりでバスケしたら意味わかんないから」
「……」
それはそうかと、また検討違いな返事に恥ずかしくなるけど、目があうと互いに笑った
「じゃあとりあえずバスケボールでも持ってくるかな。健全に遊ぼう。健全に」と、健全を強調するように二度言う。
こくりと頷いた。
市ノ瀬くんの家は近いけど、歩くと少し遠いらしく、その日初めて市ノ瀬くんの自転車の後ろに乗った。
背中を見て、この前乗せてもらった隼人くんの背中を思い出した。
「ちょっと待ってて」と言って、自転車を停めたのは住宅地の中だった。
白いコンクリート造りの四角い家。無機質な感じだけど、それを補うみたいに庭は芝生で背の低い木が並んでいた。
市ノ瀬くんはすぐに出てきて、バスケットボールだけ持ってやってきた。
少しの距離を歩くと、公園に着いた。バスケのハーフコートには小学生くらいの男の子たちがいて、数人でボールを追いかけていた。
「先越されたー」と言うけど、わたしとワンオンワンなんかしても、楽しいはずがないだろうなーと思う。というか、出来るわけがないし、そんな選択枠さえない、か。
「えっと……」と、戸惑うと、とりあえずベンチに座った。