男子と会話はできません
「まさかのミルクティーか」
来てしまったのは近くのスーパー。
丘の上にある学校は住宅街の中にあって、周りにお洒落なお店などない。
今は、スーパーにあるベンチに一人分の間隔をあけて座っている。
市ノ瀬くんの勢いにおされて、一緒に帰りわたしの好きなものを買ってくれることになってしまった。
市ノ瀬くんは自転車通学で、後ろに乗っていいよと言われたけどさすがにそれには抵抗があった。
スーパーまでの5分程の道を、わたしの歩幅にあわせるようにゆっくり自転車をおして歩いて行った。
あまり話したことのない人と話すのが苦手。
どこの中学校とか部活は何部かとか彼氏はいるのとか、当たり障りないような質問を少し間をあけながらしてくれた。
そして、お願いしますとミルクティーを渡したら、ちょっと驚いた顔をされてしまったんだ。