男子と会話はできません
「牛乳ダメって言うから」
「ま……混ざっでるのは、別腹であります」
「うそ。混ぜる系なら俺、ミロ好き」
「……わっ……わだすも好きです」
「好きなの一緒?やーりっ!」
と、嬉しそうに微笑んだ。
紛らわしくしてごめんねと思いながら、ペットボトルの蓋を開けようとすると、固い。
あれ。握力こんなに弱くないはず。んっと力をこめるのに、びくともしない。
ぷっと吹き出された。
「貸して」
市ノ瀬くんはいとも簡単に蓋をあけると、わたしに手渡す。
「あ……ありが……とうございます」
ごくごく飲みこむ。
言葉がさっきからうまく発せてない気がするけど、「美味しい」と独り言はきれいに出た。
ふっと市ノ瀬くんに見られていたことに気がついた。
恥ずかしい。飲み方汚かったかな。
あっ、違う。話し方がおかしいからかな。ちょっとイントネーションもおかしくて、なまってるし。
普段そんなんじゃないのに。