男子と会話はできません

ぎこちないって、嬉しい言葉じゃない。


やっぱり、わたしみたいな子とは、仲良くなりにくいのかな。


仲良くなってきたと思ってるのは、わたしだけで、旗から見たら、そんな風に見えるんだ。


らしくない、市ノ瀬くん。


「い……市ノ瀬くんって、どういう子と付き合ってたんですか？」


「んー？なんだろ。サバサバした感じの子？わりと目立つ美人系？」


……対照的すぎる。


「あっ、ごめん。別に羽麗ちゃんがあいつのタイプじゃないとかっていう意味じゃないから」と、わたしの気持ちをフォローするように慌てて言った。


「だ……大丈夫でし」と、見事に噛んだ。


「まあ、あいつ簡単に別れ話とかしなそうな子を選んだのかなって思ったよ」


「えっ？」


「いやさ、あいつの話、聞いてると部活ばっか大切にしてって振られるけど、結局向こうからより戻したいって言われること多いんだよ。でも別れ話とかされると冷めるらしくて、絶対、あいつより戻したりしないんだよね。だから今までと違うタイプの子選んだのかなって」


「……」


「って、余計なこと言ったな。市ノ瀬に怒られるから言わないでね」と、笑った。