男子と会話はできません
だけど、隼人くんは何も言わないから、結局わたしが口を開いてしまう。
「スーパーだよ。実咲ちゃんのところは何するの?」
「うちはね、猫カフェ。って言っても、猫耳つけて猫のふりするだけだから、うけるのかちょっと不安なんだけど。良かったら来てね」
「うん。実咲ちゃんは今から部活?がんばってね」
「うん。ありがと」と、わたしが行こうとすると、隼人くんだけ、引きとめられた。
二人で話したいんだと、察して、少し離れたところで待つと戻ってきた。
何、話したのかな。部活のことなのかな。そう思ったけど、この前の二の舞になってしまいそうだから、訊くのはやめようと思った。
「ごめん」
「ううん」
「思ったんだけど、段ボール調達するの二人で間に合うかな。高塚、小っちゃいからあんまり持てないでしょ?」
「あ、バカにした。そんなに小さくないよ。身体測定で1センチ伸びてたし」と胸を張ってみた。
クスリと笑って、「じゃあ、全部お願いしようかな」と、涼しい顔で意地悪を言った。