男子と会話はできません
20(side.I)
『隼人とさ、どうして別れたの?』
ずっと気になっていたことをようやく訊けた。
大体、隼人は秘密主義なんだよな。まったく。
だけど聞いたら、すっきりするはずだったのに、予想に反して、しこりのような違和感を俺に置いて行っただけだった。
羽麗ちゃんは、誤解を解かないままでいたから、隼人に嫌われたみたいな言い方をしていたけど、実際、隼人は好きだったんだ。
なんかおかしくないか?と、思ったけど嘘を吐いてるとは思えなくて、それ以上訊けなかった。
そもそも片方から聞いた話だけで、真実なんて見えてこないから、本当の別れた原因はわからないものなのかもしれない。
ただわかったのは、別れてからもお互い、好きだったってことだ。
羽麗ちゃんは、いつまで、隼人のこと、思っていたんだろ。
別れてから、元カノと話したいなんて、俺は思ったことがなかった。
だから、そういう気持ちがあるってことは、まだ好きなのかなと考えてしまう。
告白した日、彼女はそれを一度否定したけど、本当だったのだろうか。
あのときも、まだ好きだったんじゃないのか。
今も……って、言葉が浮かんで考えるのをやめた。