男子と会話はできません
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文化祭の準備が始まったけど、部活に行かなきゃいけないから、少しだけ手伝って廊下に出た。
どこのクラスも居残り組がちらほらいて、踊りの練習をしていたり、装飾作りに精を出したり、明るい音楽や声が飛び交っている。
羽麗ちゃんのクラスは迷路をやるらしく、思ったよりも大変だって言ってたっけな。
羽麗ちゃんの教室からも笑い声が聞こえた。
足を止めた。後ろに重なった机が並び、前方で生徒が固まっている。段ボールに色を塗っているのが見えた。
そこに羽麗ちゃんがいて、石川と何か楽しげに話していた。
声をかけてから行こうかなと思ったけど、羽麗ちゃんが横を向く。少し先を見た。隼人がいた。
何か声をかけたかと思うと、近づいて隼人にペンを差し出した。
少し話をして、受け取る隼人。触れそうで、触れなかった手に、安堵した。
だけど、動揺してた。隠しきれないまま廊下を歩いた。