男子と会話はできません
「誰か待ってんの?」
「行実先輩を待ってましたけど」
「そう」
「そう、じゃありませんよ。いいじゃないですか、駐輪場まで一緒に帰るくらい」
「はいはい」
「部活ある日は、一緒に帰ったりしないんですね。高塚先輩と」
「それはそうだろ。部活やってないし。方向違うし。待たせる意味わかんねーだろ」
「わたしだったら、部活やってなかったら待ってますよ」
じっと顔を見た。こいつならやりかねない。
「暗くなったら、帰り危ないし、心配だからそういうのいらねーよ」
言いながら思った。嘘だなって。待っててくれたら、嬉しいに決まってる。