男子と会話はできません

「迷路、どう?」


「うん。順調だよ」


「けっこー複雑なの?」


「うーん。それが思ったより、簡単そうで、みんなでもう一工夫欲しいよねって話し合ってたんだ」


「うわ。偉い。うちのクラス、みんなやる気ないかんね」


「偉い?市ノ瀬くんのクラスはなにするの?」


「占いの館兼人生相談Withたこ焼き」


「え?なんか一貫性ない組み合わせだね」


「うちのクラスでタロット占い得意な奴がいることが判明してさ。ノリで。人生相談もその流れで。あ、たこ焼きはもちろん食べたいから。だから俺、たこ焼き係熱望中」


「食べたいからって、売る方なのに」


「売る分残しとかなきゃ。羽麗ちゃんは占いって信じる?」


「えっ?」


「女子、好きでしょ、あーいうの」


「うーん。そうでもないかな。市ノ瀬くんは?」


「朝の占いをチラ見しかしないからなー。しかも順位しか気にしてないかも。一位だったら、うっしゃーって気分良くなる」


「気にするの内容じゃないんだね」と、笑った。




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