男子と会話はできません

「ごめん。高塚、俺のこといつも心配してくれるから調子にのった」


「いつも心配?」


「心配してくれるじゃん。体育祭で怪我したり、英語の予習し忘れたりすると」


「えっ?」


表情が固まった。まさか、と、思っていたことが当たったんだろうか。またカマをかけて様子を伺った。


「……気付いてないと思ってた?」


言いながら、何を言ってるんだろうとも思う自分もいるのに、言葉が続く。


「気になってたよ。気付いてからずっと。あのさ、どうして俺を無視してたのに、優しくしてくれたの?英語のノート貸してくれたり、絆創膏くれたり。無視してたのに、どうしてそんなことしてくれたの?石川にさせてたの?」


「……あ……の」と高塚は返事に困ったのか、言葉を詰まらせた。
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