男子と会話はできません
迷路は、まずまずの盛況で、列を作って並んでいた。
案内係が終わり、受付に行くと「市ノ瀬のとこ行くの?」と、杏奈は訊いた。
「うん。たこ焼きの担当が終わったら、一緒に回る予定なんだ。今から行ってみようかな?」
「あいつのクラスは、たこ焼きか」
「うん。あと占いの館と人生相談だって」
「ぶはっ。何それ」
「なんかね。タロットカードできる子いて、けっこう当たるんだって。人生相談はよくわかんないけど」
「えーっ、何者?」
「ねえ」
「市ノ瀬との相性でも占ってもらったらいいじゃん」
「……相性?そこで、最悪ですって言われたら哀しいもん」
「自信ないんだな」と、杏奈は笑っていうけど、うまく返事できなかった。
わたしが今、知りたいのは相性じゃなく別の事で、そんなこと占ってなんて言えるわけがない。