男子と会話はできません
「隼人は誰とも付き合わない」
「……」
「女と二人でいるのなんか見たことないし、誘われたって、受け流す。そういう奴だと思ってたけど、あの子は特別なのかな」
「そうなのかもね」
「上手くいくといいね」
「……ん?」
「あの二人。俺はさ、隼人があの子を好きなら応援したいよ」
「そうだね。わたしも実咲ちゃんが好きなら応援したいな」
「上手くいったら、またダブルデートする?」
「邪魔じゃないかな」と、笑った。
「でも四人でいった水族館、楽しかったけどな。またああいう風になりてーなって、たまに思うよ」
そう言って、「あ、なんでもない。ごめん」と口を押さえた。