男子と会話はできません

気を取り直したように「もうすぐ夏休みだね」と、話題を変えたから、頷いた。


「夏休みも部活と大会あるし、合宿あったりするけど、夏祭りとか行きたいな。ていうか、本当はもっと一緒にいたいんだ」


そう言われてくすぐったくなる。やっぱり、嬉しいんだ。市ノ瀬くんに思われていることが。夏祭りも行ったら楽しいだろうな。うん。わたしも、少しずつ好きになってる。


「わたしも、会いたいです」


「ふはっ。なんで敬語なの。でも懐かしいね。友達になりたてのとき、ここで話したこととか。あのときは、少ししか話せなかったのに、今はこうやって 一緒にいられるのって、すげーって思うよ」


「そうだね。あの頃、市ノ瀬くん、ウルトラマンみたいだったもんね」


「えっ?ウルトラマン?何それ?」


あ、恥ずかしい心の声を打ち明けてしまった。

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