男子と会話はできません
「よ、よく3分だけって言ってたから」
「あ、そういうことね。似てるのかと思った。んなヒーローキャラじゃないよね」と、笑った。
「う……ううん。助けてもらったよ。わたし、世界、変わったもん」
「世界?」
「市ノ瀬くんと話す前のわたし、男子のこと、どこかバカにしてた。嫌な子だった。でも仲良くなれて、話せて、見る世界が優しくなった気がするんだ」
「……」
「あっ、ごめん。意味わからないね。やっぱりお喋り、下手だから」
優しくかぶりを振った。
「ううん。なんとなくだけど、わかるよ。わかるけど、俺、優しくなったじゃなくて、元々優しい子だと思うよ。傷つきやすくて、真面目でさ。だから、嫌になっただけで。ずっと優しかったんだよ。羽麗ちゃんの世界は」