男子と会話はできません
「あっ。そういえばね。今日、中学のときの友達と遊ぶんだ」
「友達?」
「うん。彩子って子なんだけど。それでね、彼氏出来たって言ったら、写メ撮ってこいって言われたんだけど……」
「へえ……え?俺の?」
「うん。ダメかな?」と、念押しでお願いする。
「ひとりで?それは恥ずかしいから、無理。アホみたいだし」
「そっかあ」
しゅんとすると、「一緒だったらいいよ」と言ってくれた。
「本当に?」
「うん」
レンズの中に納まろうとすると、頬が触れそうになる。
シャッター音がして、プレビュー画面を見た。
「それ、俺にもちょうだい」
「うん」
頷くと、市ノ瀬くんの顔が近づいて、そのままキスをした。