男子と会話はできません
離れて顔を見合わせると、少し恥ずかしくなった。
「ごめん」
「ううん」と首を振った。
「……」
「……嬉しかったよ」
そういうと、微笑んでくれた。
ひとつ進むと、そうすることが当たり前のようになっていくのかな、と思った。
きっと少しずつ近づいて行くんだろう。心の距離も体の距離も。
触れ合うことは、まだ恥ずかしいけど、その中にどきどきとした喜びの音がする。
その音をもっともっと、感じたいなと思った。
「今度、お弁当作ってきてもいい?」
「えっ?本当に?」
「あんまり得意じゃないけど」
「うん。すっげー嬉しい」
と、手が重なった。