男子と会話はできません
「えっと、付き合う前の話なんだけど、彼に近づくなって元カノとその友達に忠告されたことがあって。
で、そのあと彼に嫌がらせ受けたことが伝わっちゃって……それで守りたいから付き合ってほしいって言われて付き合うことになって、それから何もなかったから、安心してたんだけど。
だけど今日ね、体操着がめちゃくちゃにされてたんだ。それの犯人は、誰かわかんなかったんだけど、一瞬その子達かと思っちゃって」
「ひどいね」
「……うん」
「犯人、そいつらじゃないの?あたし、言ってやろうか?」
「でも、証拠ないから、言えない」
「ガツンと言えば、自白すんじゃね?ていうか、集団で文句言ってくる奴って、頭くんだよね。つうか、ちゃんと元カノと切れてんの?大丈夫?」
「切れてるとは思う」
「っそ。ならいいけど。随分痛い女と付き合ったもんだね」
「うん……なんか、忠告されたときも、元カノの態度がすごく嫌だったな。友達に汚いことさせて、自分は何もしないで、見てるだけで」
そういうと、彩子は落ち着き払ったような顔になり、「高塚みたいだね」と、呟いた。