男子と会話はできません
「高塚」
横を見ると、帰ったはずの隼人くんがいた。
「どうしたの?」
「大丈夫?なんか不安そうに見えて、気になって帰れなかった」歩み寄る。
「本当にもう大丈夫だよ」
「ていうのは、言い訳。本当は、いつだって高塚が気になって仕方ないだけ」
何が起きたのか理解できなかった。
隼人くんの腕の中にいて、抱きしめられていた。徐々に伝わってくる制服越しの温度に、余計にこれが現実なんだと実感していく。
「隼人くん?」
「好きだ」
「……」
「高塚のこと、ずっと好きだった」