男子と会話はできません









「高塚」


横を見ると、帰ったはずの隼人くんがいた。


「どうしたの?」


「大丈夫?なんか不安そうに見えて、気になって帰れなかった」歩み寄る。


「本当にもう大丈夫だよ」


「ていうのは、言い訳。本当は、いつだって高塚が気になって仕方ないだけ」


何が起きたのか理解できなかった。


隼人くんの腕の中にいて、抱きしめられていた。徐々に伝わってくる制服越しの温度に、余計にこれが現実なんだと実感していく。


「隼人くん?」


「好きだ」


「……」


「高塚のこと、ずっと好きだった」
< 355 / 459 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop