男子と会話はできません

「市ノ瀬さ、そんなこと心配する暇あったら、高塚のことちゃんと見てあげたら」


「はっ?」


急に話の矛先を変えられて、戸惑った。そのまま行ってしまった隼人を追いかけ、肩を掴んだ。


「どういう意味だよ?」


「俺と真壁が付き合えば、安心する?」


思っていたことをそのまま指摘され返事ができなかった。


「くだらないこと悩んでないで、高塚の話聞いてあげなよ。俺が言えるのはそれだけ」


「なんで隼人にそんなこと言われなきゃいけねんだよ?どういうことだよ?」


「俺が言うと、誤解しそうだから、本人に訊いて」


「あのさ、そういうこと、ちゃんと話す気がないなら、偉そうに言うなよな」


「……」


「……」


「高塚のこと責めない?」


「えっ?……どういう意味?つうかお前、いつもそうだよな。中途半端に偉そうなこと言うけど、本音は言わねーじゃん。なにそれ?かっこいいと思ってんの?」


「昨日、高塚が家に来た」


「はっ?」と、気が付いたら隼人の胸ぐらを掴んでいた。
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