男子と会話はできません
「どういうことだよ。言えよ。隼人?」
「また嫌がらせされたりとか、色々あったみたいで落ち込んでたよ」と、俺の手を払った。
「……はっ?まじかよ?」
「本当になにも知らないんだ」
「……」
「まあ家に来たのは、たまたま、うちのばあちゃんが引き込んだだけ。転んだ高塚の手当てをばあちゃんがしただけで、高塚が来たくて来たわけじゃない。だから何もないから安心して」
「んなこと……」
聞いてない。昨日、電話で話したのに。
「俺、言ったよね。守らなかったら、奪うって。そのくらいの気持ちでいてほしいって。なのに、なんでなにも知らないんだよ。だから……」
言いかけて、関係ないか、と独り言のように呟いた。
「市ノ瀬、俺、正直に言うけど、まだ好きだよ、高塚のこと」
「……」
「だから昨日、高塚に気持ち伝えたから」