男子と会話はできません

「言ってほしかった？」と、訊くから、首を横に振った。


「どうしてって、思うこと、まだあるよ？」


「……」


「また嫌がらせされたんでしょ？なんで頼ってくれないの？俺は信用出来なかった？

俺はさ、二人で話して、ちゃんとどうしてくか、決めたかったから言って欲しかったよ。

じゃないと俺、バカみたいじゃん。話してって言ったこととか。守らせてって言ったこととか。全部バカみてーじゃん」


「ごめんね。それも、はっきりやった人がわかんなかったから、言えなくて」


「でも、隼人には言えたんだよね？」


「うん……でも言うつもりなかったよ。あのね、もしかしたら、前に嫌がらせをした子達が犯人なのかなって思って、話しかけたときに、隼人くんが通りかかって、話聞こえちゃって、それで……話しただけで」


「ごめん。感じ悪い言い方した。そっか、でも、やっぱり俺には言ってほしかったな」


呟くように言って、息を吐いた。


「俺さ、羽麗ちゃんが隼人のこと好きでもいいと少しは思ってた。だけど、ダメだね。だんだん欲張りになるし。俺さ、やっぱり一番が好きみたい。占いでもなんでも。羽麗ちゃんの中で俺、何番目？」