男子と会話はできません
「市ノ瀬くんのことは……」
何番目?
好きな人に順番なんてあるのかな?
考えたんだ、昨日の夜。
同時に二人の人を好きになるはずないって。
好きな人がわからないなんて、本当は誰のことも好きじゃないのかなって。
考えたんだ。
そしたら、市ノ瀬くんとお別れしたほうが良くて、隼人くんとも付き合わなければいいんだ。
でも、今、市ノ瀬くんを前にすると、そんな言葉、言えない。言いたくない。
だって、なくなってしまうんだ。
こうして市ノ瀬くんの隣で笑ったり、話したり、今まであったことが、なくなってしまうんだ。