男子と会話はできません

「怖くはないです」


はっきり言った。


「そうか。なんとなくだけど、高塚、前より堂々としてる気がするな」


「堂々とできてません」と、慌てて否定すると、また笑われた。


「変わったと自分が気付けば、物事の見方も変わっていくと思うけどな。まあ何かあったら言えよ。先生は先生だから、先生の仕事しなきゃいけないからな」


「先生の仕事？」


「生徒が通いやすい学校づくり。うんぬんかんぬん。いや忙しいな、教師は」と大雑把に言う。まったく内容が伝わってこないから、少しおかしかった。


「ちなみに先生はぶりっこは好きだぞ。自分をよく見せようなんて健気すぎて可愛いだろ。あ、でも顔が可愛い子限定だな」と自信満々に言った。


先生が言うように、堂々としてるなんて思えない。だけど、そういえば男子と話すのに俯かなくなってるって、そんなことを言われて気が付いた。