男子と会話はできません

それから気を取り直したように、「隼人くんの告白断ってから、連絡とったりしてないの?」と、訊いた。


「今日、電話があったけど出れなかった。終業式の日に、夏祭りに誘われて返事してなかったから、たぶんそのことだと思うんだけど。でもそれも行かないほうがいいかなって思ってるよ」


「そう。まだ諦めてないんだね、隼人くん。人に興味なさそうなのに、そういうこと羽麗にはするんだね……」


「……」


「羽麗、付き合っちゃダメだからね」


「え?」


「隼人くんと付き合っちゃダメ。だって、あたしと羽麗は友達でしょ?裏切り行為だからね」


「うん。大丈夫。付き合わないよ」


実咲ちゃんの言葉に、余計に決意を固める。電話には出ないし、夏祭りも行かない。そうして、夏が終わればいい。そのうち、気持ちが風化してればいいんだ。
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