男子と会話はできません
「あんがと」
「お祭り行きませんか?大会の前ですけど」
「祭りねー」
「今年、一回も行ってないし、浴衣着たいし。一度くらい、デートくらいしてくださいよ」
「……や」
「もっと悩んでくださいよ」
「……」
「お願いだから、もっとわたしのこと知ってから、振ってください。先輩、わたしに興味ないからって、冷たくしないでください」と、泣きたそうな声だった。
ここがもし、合宿所の庭じゃなくて、俺の家とか、2人きりの場所だったらと想像する。若槻は泣いただろうか。