男子と会話はできません

「かき氷、後で食べる?」


「あ、食べたい」


「高塚がレモンだったよね」


「隼人くんは、ブルーハワイ」


「よく覚えてるね」


「隼人くんだって」


「なんかさ、あの日のこと、告白してからのことは、あんまり覚えてないのに、そういうことはよく覚えてるんだよね。屋台ばっか見て歩くから、人にぶつかりそうになった高塚とか」


「あ、そこで隼人くんになんか食べる?って、聞かれてお腹すいてたのバレちゃったんだよね。実はちょっと恥ずかしかった」


「あんなに見てたら、誰だって気づくよ」


「そんなに見てたかなぁ」


「ううん……見てたのは、俺だね。いつも高塚が気になってたから」


「……」


どうして隼人くんは、わたしのことをこんなにどきどきさせるんだろう。


そんな優しい瞳で見つめられると、どうしていいかわかんなくなるんだ。
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