男子と会話はできません
「高塚」
「ん」
「悩んでくれて、ありがと」
こくりと頷いた。涙が止まらなくて、うまく喋れない。話さなきゃと思うのに、伝えたいと思うのに。
こんなわたしを好きになってくれて、本当に嬉しかった、とか。
隼人くんに片思いしてたときは苦しかった。だけどそんな思いがわたしを毎日支えてくれた、とか。
あんなに好きになれて、幸せだったな、とか。
同じタイミングでもう一度好きになれなくて、ごめんなさい、とか。
わたしの中にちゃんとした感情があると、伝えたい言葉が溢れてくる。そんなこと、知らなかったな。
それなのに、伝えたいのに、今が苦しくて涙にしかならなかった。
「ありがとう。大好きだった」
ようやく言葉になった。
全ての思いが、そこに集約されていて、噛み締めるとまた涙になった。