男子と会話はできません
「……ありがとう。隼人くんの気持ち、支えにする。隼人くんが、わたしのこと好きじゃなくなっても。そう思ってくれたこと大事にする」
「うん。じゃあ、また学校でね」
「うん」
隼人くんの姿が、夜の闇に紛れ見えなくなるまで見送った。
隼人くんをずっと避けていた。隼人くんをちゃんと見つめることができたのは、あの背中だけだった。
だから、また話せるようになると思わなかった。
こうして花火をまた見るとは思わなかった。
だけど、あの日の夏祭りとは、気持ちの違う帰り道だった。
思い出す。